人工羽毛素材
世界初! 福山市で生まれた「人工羽毛」。
「人工羽毛」という言葉を耳にしたことはありますか? 人工羽毛とは、天然素材である「ダウン」の構造を人工的に再現した新しい素材です。一見すると羽毛のようですが、実は切れ目がなくひと続き。これまで誰も作ったことのない画期的な「人工羽毛」を初めて創り出したのは、福山市で85年続く寝具メーカー『イシケン』。『クラボウ(倉敷紡績株式会社)』と共同開発した人工羽毛素材『A*DOWN』は、羽毛の軽さや暖かさを再現しつつ、ホコリが出にくく、かつ洗える驚きの新素材です。空気のように軽くふわっふわ、しかも扱いやすい。世界が羨む新素材が、福山市から誕生しました。
審査員ポイント
布団としての機能が素晴らしいだけでなく,動物愛護の取組にも繋がっているところが,エシカルな視点から見ても大変評価できる。
「人工羽毛」という新たな市場に対して早期から取り組み,福山発の技術を生み出した点が素晴らしい。
現状を打破するために、開発をスタート。
人工羽毛の開発がスタートしたのは2004年頃のこと。それまで、人工羽毛というものは誰も開発していませんでした。羽毛は軽く、暖かいというメリットは現在でも変わりませんが、天然素材ゆえニオイがあったり、家庭で洗えないなど扱いが難しいのが難点でした。決定打となったのは、平成の半ばに流行した鳥インフルエンザ。羽毛原料の供給不安定が続く中で、「原料がないなら自分たちで創るしかない」と心を決め人工羽毛の開発に着手しました。
イシケン株式会社 取締役専務
石川 和延さん
布団からウエアまで。「人工羽毛」の魅力。
繊維界の3大発明を知っていますか? ナイロンはシルクの代用、アクリルはウールの代用、ポリエステルは綿の代用なんです。天然素材は高品質ですが、供給の不安定さや扱いの難しさというマイナス面とうまく付き合わなければなりません。しかし羽毛については代替品がありませんでした。羽毛の持つ軽さや暖かさだけでなく、洗えてかつ、再現性がある素材の実現のため大阪府の『倉敷紡績』とタッグを組み、ポリエステルを素材とした人工羽毛の共同開発を進めました。 試作や改良を何度も繰り返しながら約5年かけて第一弾が完成、さらに改良を試みたのがこの『A*DOWN』です。その後は『A*DOWN』を使った枕やウエア、布団の開発を進め、今では世界トップレベルのアパレルブランドでも採用されるまでに成長しました。
新たな価値を生み、新たな市場を創る。
開発までの道のりはとても険しかったですよ。まず、これまで世の中に無かったものを創るのだから、それを生産するための機械がない。前例がない中で、これが正解なのかどうかも分からずひたすら試行錯誤の日々でした。次に、パートナー探しです。人数がいれば良いというものではなく、イメージを分かち合える相棒との出会いが必要不可欠です。幸運にも同じ志を持った『倉敷紡績』と出会い、量産化に向けて動き出しました。何も分からない状態から開発に挑み、何度もの挫折を味わいましたが、ついに2007年には特許を取得。更に改良を加え、現在は93%ダウンと同等レベルまで品質を高めました。 当初、単なる「化繊わた」としか見てもらえなかった本素材ですが、改良を加え品質を高め続けたことで、その多様性や優位性を認めてもらうことができました。衣料分野においても、限りある資源である「ダウン」の持続可能性を実現するため本素材の導入が拡大しつつあります。 現在は更なる素材改良を進め、リサイクルポリエステルを使用したエコ人工羽毛素材、つまり「エシカルダウン」の開発に取り組んでいます。合言葉は、「商品ではなくジャンルをつくる」こと。エシカルダウンというジャンルを生み出すために、これからも挑戦し続けます。

○事業者名
イシケン株式会社
○住所
福山市駅家町上山守244
○営業時間
9:00〜18:00
○定休日
土日祝
○問い合わせ先
084-976-1145
○Web
https://www.ishiken-futon.com
○購入可能場所
オンラインストアなど(寝具)