食べる直前に「餡」を詰めるスタイル。
これまでも福山から発信できるものがあればいいなと思って、いろいろと挑戦をしてきました。手でヘラを持ってばらをかたどることはできますが、生菓子としてしか提供できないため日持ちがしないのが課題でした。ある時、餡を缶に詰める機械が手に入ったので、それを使って、食べる直前に餡を詰めて食べる「ばら最中」を考えつきました。
餡の炊き具合や最中の大きさを試行錯誤し、仕事の合間に少しずつ考えていき、約4年費やしてやっと今の形になりました。最中は日にちが経つと、どうしても皮のパリパリ感が薄れてしまいますが、自分で詰めることでパリパリとした食感と香ばしさを感じることができます。また、一般的に最中は、餡の甘さを高めておかないと汁気が多くなってしまうのですが、自分で詰めれば甘さ控えめの餡でもパリパリ感を保つことができるのです。自分で詰めることに煩わしさを感じる方もおられるかもしれませんが、最中や和菓子が好きな方にはぜひ、風味や豆の粒を感じながら味わって食べていただきたい一品です。おいしさを五感で感じていただけると思います。