古代から人々の暮らしを守る砂留。
第2回「福山ブランド」登録後も、私たちの活動は変わりません。ホタルをはじめとする多様な生物が生息しやすいよう環境づくりを続けています。かつては木と草に埋もれて見えなかった砂留がきれいに見えるようになり、観光客や歴史研究グループなども訪れるようになりました。また、川原の草刈りや整備の継続は不法投棄防止対策にも貢献していると言えます。また、平成30年7月豪雨の際は堂々川にも大量の水が流れ込みましたが、砂留のおかげでことなきを得ました。もし私たちが整備していなかったら、砂留が決壊して下流に甚大な土砂災害を与えていたかもしれません。日頃の積み重ねがいかに大切かを実感しました。
22万本の彼岸花が揺れる幻想的な里山風景。
四季折々の植物が見られるように、様々な植物を植えていますが、中でも彼岸花の植栽に力を入れてきました。近隣の小学生や保育園児も年に一度、遠足のときに球根を植えてくれます。2020年秋には26種類22万本の彼岸花が里山を彩りました。これは県内最大級規模で、赤だけでなく、白、黄色、オレンジなどいろんな彼岸花が咲き誇る様子は圧巻! 1,000人を超える方が花見に来てくれて、球根が光合成できるよう夏の暑い日も欠かさず草刈りをしたかいがありました。大変な作業を継続しているからこそ、花が咲いたときの喜びはひとしお。彼岸花の旬は短いのですが、一瞬だからこそやりがいがあるのかもしれません。
福山の宝を次の世代へつなぎたい。
現在の会員数は50数人ですが、最近新たに高校生が入会しました。草刈りの途中に新たな砂留を発見し、新聞にも大きく報道されました。堂々川をテーマに卒業論文を書いてくれた大学生もいます。小学生から高校生や大学生まで、同好会の可能性がどんどん広がっているのを感じます。堂々川も砂留も自然もロマンあふれる歴史も、すべて福山の宝。大切に守りながら次世代へとつないでいきたい。それこそが私たちの使命です。
堂々川の次世代を担う若者たちが活躍。
環境を守るような活動を何かしたいと考えていたとき、友人に誘われて参加するようになりました。草刈りをしたり、球根を植えたり、作業はどれも楽しいですが、作業の合間のおしゃべりが何よりの楽しみ。<佐藤雄盛さん>
この辺りは地元で、幼い頃から堂々公園で遊んでいました。とにかく草刈りが好きで、思い切り草刈りができる場を探して同好会にたどり着きました。自然と対峙し、一つひとつの作業をこなしていくことに達成感を感じられるし、いろんな世代の人と話せるのが楽しい。林業の学校に進学するのですが、月に一度は帰省して作業に参加したいです。<小林凛さん>
小林くんの活動を見ていて、歴史好きなので砂留に興味を持ちました。会長の土肥さんに歴史資料を借りて読んでいます。会員みなさんとの触れ合いを通して、地域の歴史を教えてもらえるのが楽しいです!<山下颯之さん>