今はなき大衆食堂の愛されメニュー“焼きそば”。
私の父は福山競馬場内で大衆食堂を営んでいました。戦後すぐにオープンし、福山競馬場がなくなるその時まで、多くの方に親しまれ愛された店で人気だったのが焼きそば。その味を復刻したのが「ぶちうまソース」です。2008年に『備後焼きそば本舗 やまもと商店』をオープンした当時からオリジナルソースはあったのですが、「おいしくない」「修行し直してこい!」といった厳しい意見もいただきました。自分なりに研究を重ねてたどり着いたのが今の味。国産もち麦粉を独自の配合で混ぜ合わせた極太自家製麺に、このソースをたっぷり絡めた焼きそばがうちの名物です。安くてうまい焼きそばは、究極の庶民食。材料もシンプルだからこそ、一つひとつにとことんこだわり抜いてやろうと思ったんです。
思わずみんなが笑顔になる、懐かしの味。
果物や野菜の優しい甘さが広がる中に、9種のスパイスの刺激とコク、牡蠣のうま味が溢れるのが「ぶちうまソース」の特徴。12年前とは全く別物と言えるほど進化しています。「二度と来るか!」と怒って帰ったお客さまが「おいしくなったな」と認めてくれたときは本当にうれしかった。進学や就職で市外や県外に出てしまった子どもさんやお孫さんへの贈り物としても喜ばれています。何度も試作を重ねてこの味にたどり着きましたが、これがゴールとは思っていません。時代やお客さまのニーズに合わせて今後も休むことなく進化していくつもりです。めざすのは「食べた人が笑顔になる」、そんな味。
備後焼きそば本舗 やまもと商店
代表 山本 啓文さん
かけて良し・つけて良し・混ぜて良しの万能調味料。
焼きそばの味付けはもちろんですが、豚カツやコロッケなどの揚げ物にかけたり、カレーの隠し味として使っていただくのもオススメです。そして、ぜひ試してもらいたいのが、洋食のソース! 炒めたオニオンスライスと溶かしバターを加えれば、ハンバーグやステーキ、ポークチャップのソースにピッタリなんです。数年ながらフレンチを学んだ経験があるのですが、それが活きているのかもしれません。「ぶちうまソース」をアレンジした昔懐かしい洋食ソースは絶品ですよ! かけて良し・つけて良し・混ぜて良し、万能調味料として冷蔵庫に常備していただきたいです。