御領の古代ロマンを蘇らせる会
ウチの裏山、かなり古代です!?
ナウな古墳の遊び方☆学び方
興奮せずにはいられない!ワクワク体感型御領古墳群。
神辺町御領地区で、御領山に広がる西日本最大級の古墳群「御領古墳群」の整備・調査活動をしています。主な活動メンバーは、高校生から40代後半で、学校や仕事の合間に集まって、草刈りや測量をしたり、外から訪れた人をガイドしたりしています。めざすは、史跡としての登録です。古代からずっと途切れることなく人が住んできた御領は、詳しい調査ができていない場所。地域に残る遺跡を多くの人に知ってもらうために、冊子を発行し、専門家による講演会や家族向けのフィールドワークなどを開催してきました。地元の魅力を、まず自分たちが知り、情報を発信しみんなで楽しむ。そのワクワク感が御領の人たちや訪れる人たちをつないでいます。
審査員ポイント
ポジティブな活動姿勢は、歴史遺産の保存活動において、これからの新しい姿になるかもしれない。
古墳が素晴らしいのはもちろん、それを保全だけでなく新たな活動へとつなげている点が素晴らしい。何よりも自分たちが楽しんでいる点に強い魅力を感じた。
草刈りをしていたら、山城跡が見つかった。
この活動を始めたきっかけは、今から5年ほど前に、裏山の草刈りをしていて偶然山城の跡を見つけたことです。地元の歴史に詳しい人や専門家に聞いてみると、遺跡や古墳がもっとあるのではないかということで、少しずつ山に入るようになり、どんどん石室を見つけるようになったんです。神辺町の御領地域に古墳や集落の跡があることはわかっているのですが、人が住み続けている場所なので、まだ詳しい調査ができていません。日本最古の舟形の土器が出てきて全国的に報道されたり、前方後円墳が見つかったりしましたが、その実態について地元に暮らす自分たちは全く知らなかったんです。そこで、地元の遺跡群を伝える本もつくりました。この本は、今では地元小学校の歴史学習の副読本としても使われています。
楽しみ方は人それぞれで、自由自在。
主な活動は草刈りです。しんどい作業ですが、自分たちがせっかく見つけた魅力をまた藪の中に埋もれさせたらもったいないと思って続けています。「自分もすごいものを見つけるかもしれない!」というワクワク感も原動力です。楽しみ方は人それぞれ、そして自由自在です。今はまだ史跡登録されていないので、石室の中に入ることもできます。エリア内には220基もの古墳群があるので、ひとつひとつ丁寧に巡るのも、車で一気に見るのもOKです。眺めのいいスポットや美しい池もあるので、歴史にあまり関心がなくても、ハイキングやサイクリング、写真が好きな人にも楽しんでいただけます。一般的に観光や見学といえば、与えられた場所を歩いて説明を聞く「受け身型」のものが多いですが、ここでは楽しみ方を考えたり、整備段階から発見したり、自分が「能動的」に動く楽しさがあるんじゃないかと思います。
御領の古代ロマンを蘇らせる会 代表
端本 てる子さん
御領の古代ロマンを蘇らせる会 副代表
佐藤 武志さん
自分自身も尊くて大切な存在だと、
教えてくれる場所。
巨大な石室を眺めていると、「先祖がいなかったら自分はいないんだろうな」「自分の先祖もこの時代に生きていたんだな」という不思議な気持ちになることがあります。とてつもない数の人たちの命のリレーがずっと続いているのを感じるんです。自分と先祖とのつながりや、長い人類の歴史の中に自分がいることを思うと、自分自身や周りの人たちが大切に思えるんですよね。そんな話を子どもたちにするときちんと受け取ってくれます。福山市の北部にそんな場所があるということを知って、まずは一度、体感していただけたらうれしいです。そして、魅力を発信したり、さらに高める活動をしたり、一緒に活動する仲間の輪をどんどん広げていきたいです。
○団体名
御領の古代ロマンを蘇らせる会
○問い合わせ先
goryoroman@gmail.com
○Web
福山市まちづくりサポートセンター
○主な活動場所
神辺町御領山