福山から世界へ発信するロングセラーブランド「goot」
1965年創業の『太洋電機産業』は、「goot」のブランド名ではんだこてを生産しています。福山を拠点に、はんだ付けロボットやホットボンド(グルーガン)、ヒートガンといった熱加工工具を世界60カ国以上に輸出。多種多様なはんだこての中でも、最もシンプルなニクロムヒーター式はんだこてでは、国内シェア65%を誇ります。
高い品質にこだわり、こて先の製造、部品の組み立て、検品、梱包、出荷に至るまで自社で手がけています。特に、こて先を自社生産しているメーカーは国内唯一で、自社工場で設計・製造した合計2,000種類以上の豊富なこて先をラインアップ。「goot」のはんだこては、専用工具を使用することなくこて先を交換できるので、汎用性が高いと評判です。
太洋電機産業株式会社
技術部 課長代理
砂田 和信さん
液晶ディスプレイを搭載したハンディータイプのはんだこて
こて先の温度を調節できるはんだこては珍しくありませんが、作業温度がデジタル表示される機種は、これまでステーション型はんだこてに限られていました。そこで、グリップ部分に温度表示のための液晶ディスプレイを装備した、国内メーカー初となるハンディータイプのデジタル制御型温調はんだこて「Smart Iron® PX-280」を開発。設計チームとデザインチームが意見交換しながら、1年半以上かけて完成へとたどりつきました。
さらに、200〜500℃まで1℃単位で温度調節ができるのもポイントで、使用していないときに自動でこて先の温度を下げる自動スリープ機能、プラグの抜き忘れがあった際でも自動的に電源を切断するシャットダウン機能も搭載。生産現場だけでなく、一般ユーザーまで幅広く使用いただける製品です。
SNSや動画サイトを活用した独自の広報活動を展開
コロナ禍をきっかけにDIYが注目を集め、これまで以上にブームが拡大。そこで、一般ユーザーに商品を幅広くPRするため、SNSを活用した広報活動にも注力しています。新商品の案内や使い方の提案をInstagramで発信するほか、特に力を入れているのがHow to動画の制作。工具の使い方や整備の仕方を楽しく学べる動画などを社内で撮影・編集しています。人気YouTuberとコラボレーションした動画は、公開から半年で50万回再生を達成するほど人気を集め、商品の売り上げ拡大にも少しずつつながっています。発信だけでなく、新製品開発の際には市場調査にもSNSを活用。ニーズをいち早くつかみ、「こんなの欲しかった!」と喜んでもらえるような商品を今後も生み出していきたいです。