焼き芋のおいしさとノウハウを全国各地に伝授
砂糖の製造卸会社で営業マンとして全国を飛び回る中、取引先で食べたサツマイモのおいしさに衝撃を受けたのが始まり。当時はまだ誰も知らなかった「紅はるか」との出会いでした。江戸時代から歴史がある壺焼き芋に興味を持ち、定年退職後に地元大阪で焼き芋調理器の専門店をスタート。焼き物作家に特別に作ってもらった壺を販売するために始めた壺焼き芋の実演が話題を呼び、壺焼き芋ブームが巻き起こりました。また、全国から訪れた400人以上の研修生たちには、開業の方法や焼き芋のノウハウなどを惜しみなく伝授してきました。
2018年、縁あって福山市に移住。壺焼き芋とお芋スイーツ専門店として地元の皆さんに愛されながら5年が過ぎました。
現在は加茂町のカフェ兼ショップのほかに、移動販売車でさまざまなイベントなどに出店。地域の方に知っていただけるよう、親子でがんばっています。
POT COOK 合同会社
代表
釜崎 栄治さん(左)
部長
釜崎 武士さん(右)
地域の鉄工所と協力し、焼き芋専用のかまどを独自開発
福山で暮らすうちにここが造船や鉄工の町だということを知り、「焼き芋専用のかまどを作りたい!」と考えるようになりました。地域の鉄工所を巡って自ら協力企業を見つけ、炭火を使用した壺焼き芋と同じクオリティーに仕上がるよう、試行錯誤を繰り返しながらオリジナルのかまど焼き芋器を開発。塗装も地元業者に依頼し、食品基準が厳しいヨーロッパの基準をクリアした安心・安全な粉体塗装を使用しています。オシャレな焼き芋カラーもとても気に入っています。
炭火の遠赤外線効果でじっくりと芋を焼き上げる壺焼きの良い部分はそのままに、これまで課題だった部分は改善。鉄製なので割れない、上半分と下半分をセパレートできるため女性一人でも運びやすい、窓から焼いているところを確認できる、壺よりたくさんの芋を一度に焼けるなど、購入者からはうれしい声が多数届いています!
長期熟成したサツマイモだけを使用した焼き芋&おいもスイーツ
江戸時代から続く焼き芋の文化を伝えたいと思い、かまど焼き芋器の開発や販売、開業支援をしていますが、まずは焼き芋の本当のおいしさを知ってもらいたい!
『POT COOK』の焼き芋は、厳選した九州の契約農家から直接仕入れを行っています。糖度を増すため、室で約60日間熟成したサツマイモだけを使用。炭火の遠赤外線で約90分かけて焼き上げた焼き芋は、ねっとりと蜜がしたたり、まるでスイーツのような仕上がりになります。
食べ頃は秋に収穫したサツマイモが熟成される12〜6月頃ですが、旬の時期に焼き上げた焼き芋を冷凍して販売しているので、年中おいしい焼き芋を楽しめます。
さらに、スイートポテトやプリンといったサツマイモを使ったオリジナルスイーツも販売。コンセプトは「孫に食べさせたいおやつ」。子どもでも安心して食べられるよう、無添加で、砂糖も極力控えて作っています。
食物繊維が豊富なサツマイモは、腸活にもピッタリ。家族みんなで楽しんでいただけるよう、今後も焼き芋の魅力を伝えていきたいです。