このレシピ本は、手に取ってくださった人の暮らしの中に取り入れられるのがゴールだと思っていたので、日常的に実践しているというお話をお聞きした時は本当に嬉しかったです。「自分はこう暮らしていきたい」と一人一人が実感しながら生きる。その一歩として、何を食べるか、誰と食べるか、どういう風につくられたものを食べるのかを意識していくのはすごく大事なことだと思います。それと同時に、食べることが豊かになれば、自分の人生が豊かになります。好き嫌いがなくなることで、選択できる食べ物が増えます。いろいろなものを誰かと一緒に美味しいと味わえるということは、人間の基本的なことであり、大きな力だと思います。
子どもが美味しいと食べてくれることが、親にとっては力になる。
たんぽぽごはんの調理法ってすごくシンプルなんです。「めんどくさいな」と思っていた料理が、こんなに美味しく簡単にできるんです。実践してくれる人が増えていけば、子どもたちも喜ぶし、それが親の喜びにもなるんじゃないかなと思います。そうやって目の前で大事な人と幸せを味わう喜びが循環していく。食べること、味わうことが、人生を味わうことにつながる。たとえ食材が限られていても、自分が納得してそれを選び、美味しく楽しく料理して食べることが大切だと思っているんです。